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コード論 私の場合

大学時代に何故だか必死にコードを勉強した。和音ね。

楽器も弾けない歌も満足に歌えないので、何かしら取り柄が必要だろうと。

そんで今に至る。頭の中で音は響かないが、複雑怪奇な進行をひねり出すのは得意だ。

 

楽譜を発掘した。

去年の夏ごろに出したフリーアルバム「Tri-Angle」に収録した曲。

今日はこの中から"いつもと違う夜"という曲で、作曲時の私の頭の中を解説しよう。

 

ここで今回の注意点。

話口調でなく、考えてることをまんま文字に起こすのでいつも以上に読みにくい。

そして、度数やコードの知識は全て理解した前提で話す。知識ない人はたぶん読んでも面白くないから頑張って勉強して(分からなかったらコメかTwitterで文句言ってくれれば分かりやすく教える)。

もう一つ、私が愛用してるギターは常に半音下げチューニングだ。だが、相対的に語ることもあれば絶対的に語ることもある。分かりやすく言えば、Cのコードを弾けばBが鳴る。CもBもCフォームと呼ぶかもしれない。そこらへんは適当に察して。

ちなみにこの曲はカポ2。レギュラーチューニングならカポ1だ。

長々とした注釈おわり。

※楽譜はDbキーだが、C#キーで説明する。

頭の中で響くのはCとDを繰り返すリフ。リズムパターンも決まった。使うのは1のadd9系だろうが、そのまま弾き続けるのも芸がない。メインにオクターブでドとレを繰り返すなら、それに合わせて△とadd9を切り替えよう。

レミファミのブレイクはそのまま△を弾けばいい。上で9を鳴らしてコードトーンと刺繍音で納め。

主役の和音をCadd9にした。後ろ2小節コーラスに属音で入れたいが、コードまでドミナントにするのも面白くないので、属音を9度に置くFadd9を入れた。コンセプトもまとまったし、綺麗な音だ。

ここでドミナントを入れたいが、全体がふわついてるのでsus4で導音を入れない。そこからAm7、Emでトニックの軽いリズムを刻んでDadd9→D△7(9)でノンダイアトニックトーンを含むメロディに合わせて完8的に音を移動。ここで8小節ブレイクが綺麗に決まるのでそのままTに移行しても大丈夫という算段だ。

2回目のコーラスは不安定感を出すためにG#dimを。dimはトライトーンの塊。augが導音の塊だとすれば、こいつは第7音の良さを持っている。上から抱き込むような音。

先の動きを付けたいブレイクとは違い、落ち着きを与えたいのでAm7キープ。

最後にFm→EmでTSTの終止でサビは終わり。

だいたいこんな感じ。たぶん分からないと思う。

ほんとはもっとかなりの情報が巡っていて、そこから精査したのがこれだ。add9をメインとした落ち着いた和音の中でも、ノンダイアトニックでアクセントを付けたりとかdimを取り込んだりと、結構頭を使う。

こうして曲が生まれる。やったね。

 

方向性が決まると、まずはキーをどうするか考える。そこから真っ先に浮かべるのはダイアトニックコード達だ。初心者はトライアドだけ浮かべればいい。今回はC# D#m Fm F# G#m A#m Cmb5だね。

そこから四和音も浮かべてみて。C#△7 D#m7 Fm7 F#△7 G#7 A#m7 Cm7b5。

やたらと7m7b5って厄介扱いされるが、こいつはdimと同じ扱いしてやれば見方も変わるだろう。結局はG#mと同じトライトーンが入ってるんだから、例えば3和音で代替してやればちょっとだけ印象を変えることもできる。ほかにCdimでも代替可能だ。

意外と私が使いたくないのが2m7。これいる?

逆にやたらと使うのが4m系のコード。モーダルチェンジ。最近は1mとかも使い始めたが、こいつらは使い方を上手くやればかなり奥の方から曲を彩れる。気持ちいい。

 

ダイアトニックが浮かんだら次にドッペルだ。一緒に他のセカンダリも出そう。

それと同時に裏コードも考えておく。今回は出してないが、今回ならD7が使える。これはCdimと同じ考えだ。G#と一緒のトライトーン持ってるからC#に解決できる。 

他の曲もこれを知ったうえで聞いてほしいが、裏コードも良く使う。例えばDm G7 Cのあるあるな完全終止も、Dm Db7 Cという根音半音下げつつの完全終止が可能だ。やってみてね。ほぼジャズ。

そこにドッペルでD7 Db7 Cも出来る。いいね。

セカンダリは4/5をよく使う。C7 Fの流れだ。こいつは下属転調に使える。

Bメロでダイアトニック1に解決しといてそっから短7を乗せて完全5度下げた転調だ。やってみてね。

 

 

 

やっべ、長々と書いちゃった。もっと書けることは多いが今回はこの辺で。

リハビリにもなった。OK。それでは。