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私の描く歌詞論=前編=

 前の更新からそこまで時を待たずしての更新。まあ、最初だけだ。

活動再開に伴ってHPの諸々も再び見えるようにしといたし、前よりほんの一部だけ使い勝手がよくなったよーと。本題はこれじゃない。

 

そうしてHPを弄ってるうちに必然と目にすることになるのは歌詞ページ

ここでは6年くらい前に作った曲から先日のブログで書いたそれまで、ほとんどを網羅している。

なんだ、今書いていて思ったが私は6年間も曲書いてるのか。すげえや、と思ったが未だに詩の書き方なんてわかんねえんだ。歌詞っつってんのに、「し」って表記する時にゃ詩でいいんだろうかって思うくらいにはわかんねえんだ。分かる人教えてくれ。

 

今までどうしていたかと言えば、曲が出来たその瞬間の心情が大きく反映されている。つまるところ病んでる時にはとても沈んだ重い言葉選びなのだが、大体そういうときに限って私的神曲が出来上がる。

 

今回は今までの曲を振り返りながら、その時のワードチョイスの理由やバックグラウンドの事象を綴っていこう。改めての自己紹介にはもってこいだ。

たぶん長いと思うから2回くらいに分割して載せていく。自己紹介に前後編がある時代。

 

全ての歌詞の前提として、私の中では枠組みと肉付けがあると思ってもらいたい。

例えばキャラクターの曲ならば、そのキャラクターが何をどうするか大枠をあらかじめ決めてしまって、その中で感情や言葉遣いや展開のさせ方をその場その場で決めていくものだ。

だからこそ解釈の仕方が大量に生まれると思っていて、私がここで語るのは公的な解釈でなくただの成り立ちだけであると断言しておく。前置き長いね、ごめんね。

 

最新のものから遡っていく形で行こう。

ちなみに曲名の付け方に関しては完全に気まぐれだ。

 

 

 

「Restart;2nd Operation」(2018年)

大枠[嵐 戦い 轟沈 輪廻]

 

やっべこれ答えじゃん。って、大枠を書きながら思ったが、まあこいつは属性的なものだと思ってくれていい。

 

"見つけた見つけた 目を光らせ

知らせた知らせた 奴を照らせ

 

無機質オペレーション まずは深呼吸

手数を踏み倒した万全準備の砲戦

サイコセパレーション そして大団円

増えるゲージ唸るエンゲージ

空はまだまだ曇っている"

 

これ、そもそも曲がかっこいいんだよ。

マイナーセブンスが決め手な作風なので、そのコード感に合わせて哲学的(簡潔に言えば中二)なテイストの詩だ。

頭の中では嵐の大海原が思い描かれてるので、その中での戦いを想像してもらえれば。この曲はそもそも感情の介入はしていなくて、機械的に言葉を当てはめている。

 

 

 

「本音の言い訳」(2018年)

大枠[憧れ 欲望]

 

"いつものように呟く仕草

星重ねては右に倣えして

反抗期は翻弄期?

自分のスペースを求めてぐるぐるり

 

くだらない一言にあたふた

どうしてと嘆く昼下がりに

いつからこうなってしまったのと

自問自答に明け暮れては眠る

 

歌を歌おう 蓋を開けよう

ぴったりのルールを召し上がれ

隣に座ろう空を羽ばたこう

囀るお手本を見せましょう"

 

世はSNS時代。創作仲間との交流ツールとして使っていたが、当時学生の身分であった私は生意気にもそれらしく、身内との交流でも使用していた。それになぞらえて、SNS越しの恋愛を描くも楽しいと思ったのが大枠だ。

少しばかり上から目線な言い様で、でも振り回されているのは自分で、そんな心象を詩にした。

 

"融けない氷を冷やしては

変わらない現状に指咥え

これから先に怯える不安も

偶にはいいんじゃない?"

 

この表現とても気に入っている。融けない氷は冷やしても変わらねえんだ。

だからこそ、その先に何が起こるかすら分からねえし、その先があるのかすら分からない。怖いね人生。

ちなみにこの曲は2018年に出したのでそう表記してるが、曲も歌詞もその2年くらい前にはできていた。

 

 

 

「Try-Angle」(2018年)

大枠[性交 欺瞞]

 

そいえば去年このアルバム作った時って、中身の解説してなかったよね。単にやるつもりがなかったか、忘れてたか。

そうです、これはセッ〇スの曲です。それ以外ないじゃない、ね。

 

"喜んだ悲しんだ笑ったキミの△

嘆いた褒めた 蔑んだキミの△

探した失くした 作り上げた△

嫌いだった好きだった

その頂点に何があるんだ"

 

あらやだ、そんなことを言ってたら急に歌詞が意味深に聞こえてきましたわよ奥さん。

ほら、してる時に急に噛みつきたくなっちゃうじゃないですか。そういうやつ。

当時大学の先生に新作でーきたって言って、これDL専用なんだけど実はCDにもしてて(2枚だけ)。後日感想聞いたら、いやー深いねーって言われたけど、いや深くも何ともないんですよ。セ〇クスなんですよこれ。奥が深いってか。やかまいしわ。

これも機械的に当てはめただけ。でも少しだけ私自身が元気だった時に書いたと思う。

あと、私の歌詞には「プラス」とか「稀代」ってワードがやたらと登場するけど、使いたいだけ。

 

結構遠回しな表現を好むんだけど、こんなに率直に喜ぶとか悲しむって書いたのは珍しい類だと思う。それゆえに、奥底の耽美さが浮かび上がるんじゃないかなと。

 

あと余談だが、このアルバムにもう一曲「Dry-Angel」って曲を用意してたが、まあ人間関係色々あるので収録はやめておいた。今なら出せるんだが、どうにもタイミングを逃したのでどこかのタイミングで少しだけ。

 

 

 

「由良のケッコン事情」(2017年)

大枠[由良 ケッコン 幸せ 兵器と人と]

 

"幸せになりたいなんてことは言わないよ絶対に

だけれどもう少し傍にいさせて

はぐれないようにね"

 

"幸せになりたい今は少し貴方のことが気になります

だけどもう今のままでもいいかなんて

叶わない恋ね

貴方は人、私は兵器。変わらない日と…… それでも平気なのかな?

だって違うカテゴリー叶わないや

ため息もう一つ"

 

"幸せになりたい貴方とならどんなことも乗り越えてく

間違え探しの続く日々を目指して今日も……

光るリングに溢れる涙 悲しくなんてないのに止まらないんです

これが感激の涙なら人にまた1つ近づけたよ"

 

サビが3回来るので、偽りの心象と少しだけ心を開いた情景と、本当の自分とでコントラストを書いてみた。

私が結婚や絆をテーマに書くと、だいたい悲しくないのに涙を流しがち(ちょうどいま作っている曲もそうだ……)だが、好きなんだよこの表現。

歌詞って、第三者視点とか叙景とか色々あって、この曲は叙情的かつ一人称での書き方だ。

 

 

 

「気持ちを確かめ合う方法(1 to 3 for ……?)」(2016年)

大枠[現実と非現実 憧れ 繋がり]

 

"ふわふわ気分で街に出かけてみたら

ほら夢にまで見た大都市ここは大都市

見知らぬ雲まるで龍のごとく長く長く描くハクシビキョウ"

 

大都市ここは大都市って、よく言ってたねー(Twitterで)。

なぜかこのワードが私の中でブームになってた。

この物語の大枠の「現実と非現実」、これは君にとっての現実は非現実でーとかそういう話で、複数の考え方や景色が広がるこの世界(もしかしたら世界すら異なる次元に複数あるかもしれない)は、自分にとっては当たり前のように常識なんだってことだ。簡潔に悪く言えば自己中心的。

ハクシビキョウってなんだよってなるかもだけど、これは某ネコカミのスベテヨシゼン~的なそれなので、そこだけは各自で考えてくだせい。指示語祭り。

 

"長く長く秘めた桃源郷 恐らく午前2時"

"遠く遠く消えてく音 現地は午後6時"

 

なんか時差的な、今の自分と何かしらの対象物との距離感を出したかったんだけど。

ちょうどこの歌詞を書いてる時には私はアイルランドに行ってて、この部分を書くときに実際に日本が午前2時で、現地が18時だったのでそうした。

このアルバムの曲はほとんどが渡航先や、色々と変革してる時に出来たものなので特別思い入れがある。

(このタイミングで過去のブログを見返したが、このアルバムに関して一切触れてなかったね。どこかの機会で触れよう)

 

 

 

「能代の憂鬱」(2016年)

大枠[能代 憂鬱な日々 怠惰]

 

"光を背に眠りにつく 針は7を指し続く

小さくそれを刻む音が徐々に大きくなる

クシャクシャにした紙のよう シワつくベッドに横たわる

うつ伏せの少女は待ち焦がれて

暗い部屋を温かい光が飲み込んでく

ふわりふわり心を照らす"

 

これ書いたとき、確か大学をサボった日だ。

何とも思わないはずなのに、大学生の頃は一日サボると何も気力が湧かなくて、結局何もせずに怠惰に一日を過ごすことになる。それで結局再び日が昇って、7時になる頃には時間の感覚もなくなる。そんな情景を組み込んだだけ。

紙で比喩しなくてもベッドはクシャクシャになるんだけどね。

 

ちなみにサビの「日記」が最後だけ「日誌」なのは、ただ視点が変わったってだけです。

 

 

 

「だい!だん!えん!」(2016年)

 

この曲は書くこといっぱいある。いや、ほぼ全部やろう。けじめとして。

 

大枠[闇落ち]

肉付け[嫉妬 恋愛 傍観 見下し]

 

この頃は、何が~とは言わないが本当にくっだらねえと思っていた。そんなことすんなよ、と。いや、してもいいんだけど私たちの関係ないところでやれよ、と。

たぶんこんだけ書いても、本軸は見えないと思う。が、それを言うのもまだ恥ずかしい、というか言えないので。中途半端な色恋沙汰だと認識してもらえればいい。

 

"もう疲れたな そう喘いでも1wayで諭す

もう無理もないかな 道を探り続けもがき続く"

 

この世界ってやつは本当にくそ野郎で、何を言っても噛みついてくるやつがいるんだ。どうでもいいが。

でも、それでも頑張ってもがいてもがいて、答えを探そうとするやつだっている。うむ。

 

"終わりの鐘が鳴り響いた 油断の足 不満の歌詞 描き続く

この世界が元通りになる魔法を 謀略の瞬間"

 

ここらへんで私自身もヘルプを出してたが、自分の書く歌詞に不満しか出ないんだ。でも答えは、書いた歌詞に不満しか言わねえやつが出てきたんだって。

だからそれを消してしまえばいいんだって。この世界にはそんな魔法があるんだよ。ブロック魔法。

 

"パーッとお目通しです 言の葉の奥の特殊感情

少し目に毒だよね "好き"に振り回されて消える自我を

道程惜しむ程に溢れ出した 憎悪と嫌悪と負の想い

ねぇ、そろそろ思い出してよ今の君とっても滑稽だからね"

 

こっから本題。一目瞭然なんだよ、本当に。それはいいんだけど、それでも陰険にじわじわと知った顔でやっている姿が最高に頭にくる。見ていて滑稽だ。そしてそいつは自分の感情に振り回されていることに気付くことなく、遠心力で飛ばされる。

 

"終わりの鐘が鳴り響いた 私はもう耐えらんない勝手にもうして

ねぇ、この世界は助からないんだ 諦めて見届けるんだ"

 

どうしようもないなら手放すしかないんだ。これが、私があの世界から去った理由。そういうことだ。

 

時効とも言わないが、この場所でこんな自暴自棄な表現をしてしまって、今はとても反省をしている。だけど、この時期の自分さえもバックアップとして残しておきたいので、この曲はこの歌詞のまま永遠に演奏し続ける。

誰かイラっとする人間がいたら、これを聞いて少しだけスカッとした気分になってもらいたい。

 

 

 

ここまでが前半。長いねー。

次が後半で桜のアルバムとかもっと昔の曲とか紐解いていこう。

前半だし締めはいらないね、では。